全国神楽シンポジウム2019 ー「神楽学」の可能性Ⅱー
全国神楽シンポジウム2019事務局(電話受付時間:平日10時~18時)
宮崎県内には200余の、そして全国には5000を超える神楽が継承されています。
今回のシンポジウムでは、全国的視野のもとで、神楽に内包されているさまざまな文化的要素、地域社会と人々にとっての神楽継承の意義などについて、基調講演・連続講演と討論を通じて考えます。
提唱する「神楽学」というのは、学術の世界だけでなく、神楽継承者にとっての神楽、持続可能な地域社会づくりと神楽、神楽の楽しみ方など、実践の学という視点に立っています。また、2日目では、宮崎県椎葉村に伝承されている椎葉神楽から向山日当神楽保存会による公演を行います。神楽そのものに触れることで、より直接的に「神楽」の魅力を感じてもらい、今後に向けた可能性について考える場とします。
【神楽学のさらなる課題を探る】
<司会>小川直之
<パネラー>神崎宣武・神田竜浩・櫻井弘人・三上敏視・甲斐眞后
椎葉村・向山日当(むかいやまひあて)神楽の概要
日本三大秘境の1つともいわれる宮崎県椎葉村には、26の集落に神楽が伝承されており、総称して「椎葉神楽」と呼んでいます。
集落毎に11月中旬~12月下旬に夜通し行われる神楽は、地元では「冬祭り」「年祭り」とも呼ばれ、椎葉の村人たちにとって1年を締めくくる大切な祭りとなっています。
集落ごとに舞や衣装、太鼓の調整も多種多様であり、舞の1つ1つが昔のままの状態を残していることから、平成3年に国の重要無形民俗文化財に指定されました。
椎葉神楽の特徴は、狩猟神事が織り込まれていることで、神前に猪や鹿の肉を切り分け捧げる「板起こし」など、狩猟儀礼にかかわる演目も多くあります。また、仏教色が一掃された影響が少なく、古い形の神楽が残っており、神仏混淆の唱行が多く見られます。
向山日当神楽は、今から400年程前に日当の倉の迫という集落にいた藏座七左衛門(ぞうざしちざえもん)が、高千穂の土持伊勢守(つちもちいせのかみ)から3年3ヶ月かけて神楽三十三番を伝習したと言い伝えられています。
昔は白紙を猪の地で染めた赤紙を使用して御幣を切ったと云われ、現在でも赤と白の職の御幣が習わしです。また、神楽の際に見学者の男女が歌う神楽せり歌が、若い人たちにも広く受け継がれています。
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