河合政之 with 浜崎亮太《ヴィデオ・フィードバック・ライヴ・パフォーマンス》

モリユウギャラリーでは、11月5日(金)、6日(土)の二日間、河合政之 with 浜崎亮太による
《ヴィデオ・フィードバック・ライヴ・パフォーマンス》を開催いたします。

====================================
日時：
①2021年11月5日（金） 18時半開場／19時開演
②2021年11月6日（土） 17時半開場／18時開演

料金：1,000円
予約制　※定員になり次第締め切らせていただきます。
会場：MORI YU GALLERY（モリユウギャラリー）
====================================

河合政之 Masayuki Kawai
1972年大阪生まれ。東京大学大学院総合文化研究科博士後期課程単位取得退学。2002年に森美術館主催《ヤングビデオアーティストイニシアティブ》にて受賞（審査員：デヴィッド・エリオット）、オーバーハウゼン国際短編映画祭審査員奨励賞受賞。文化庁や各種財団の派遣・招聘によりNY、パリ、イスラエルに滞在。世界30ヶ国以上で作品を発表。

浜崎亮太 Ryota Hamasaki
1979年和歌山県生まれ。主に映像メディアを用いた作品を制作。川崎市市民ミュージアム、MORI YU GALLERY、ポンピドゥーセンター 《HORS PISTES 2012》（フランス）、エクス・テレサ国立現代美術センター（メキシコ）などで発表。

河合・浜崎のライヴ・パフォーマンスは、2009年より東京都現代美術館、東京都庭園美術館、ニューヨーク大学、マギル大学（モントリオール）、オンサイト・フェスティバル（台北国際芸術村）など国内外で広くおこなわれてきました。そのコンセプチュアルでテクニカルなユニークさと完成度は、トーキョーワンダーサイト《トーキョー・エクスペリメンタル・フェスティバル 2012》特別賞を受賞するなど、高い評価を得ています。近年では〈アートバーゼル香港2018〉やパリの〈ASIA NOW〉など、海外を中心に発表されています。日本での公演はおよそ5年ぶりとなります。
この機会にどうぞご高覧ください。（下記ステートメントもご参照ください。）

--------------------------------------------------------------------------------
「映像が生命（ライヴ）になるとき」

もっとも代替不可能（non-fungible）なもの、それは〈生命〉でしょう。生命は、予想外な状況の変化に対応して、ユニークな個を創発していきます。映像もまた、デジタルな制御を脱し、アナログな偶然を包含しながら自己生成するとき、それはメディア・テクノロジーであるだけでなく、一種の生命体にもなるといえるのではないでしょうか。アーティストの直感と、環境の揺らぎが交流し、イメージとサウンドが有機的に変容していきます。

昨今、NFT（non-fungible token）がアートマーケットの話題をさらっていますが、元来偶然性をノイズとして排除するシステムであるデジタルではなく、むしろデジタルとアナログの融合にこそ、本来の意味で代替不可能な生命が宿るのではないでしょうか。デジタルな遺伝子と、アナログな細胞との相互作用が生命進化の基本であると、アメリカの人類学者グレゴリー・ベイトソンは述べています。

美学の理論家でもある河合は、著書『リフレクション：ヴィデオ・アートの実践的美学』（水声社）の中で、電子によって環境・観客・アーティスト・装置が結合し、特異的な出来事を引き起こす〈フィードバック〉を、ヴィデオ・アートの美学的本質ととらえています。河合のヴィデオ・フィードバックを用いた作品、そのひとつである河合・浜崎のライヴ・パフォーマンスは、その本質的原理を究極まで探究したものといえるでしょう。

このライヴ・パフォーマンスでは、数十台の20-30年前の映像機材を用いて、変則的なループ回路を構成し、予測できない電子の暴走を引き起こします。その流れにアーティストが呼応し、〈即興演奏〉することで、刻一刻と変化し、一瞬一瞬がユニークで決して再現のできない、イメージとサウンドの奔流が生み出されます。めくるめく映像の渦の中、私たちのまなざしは有限な情報の呪縛から解き放たれ、無限のカオス的悦楽へと導かれていくでしょう。

森裕一・河合政之

過去のライヴ・パフォーマンス記録（東京都庭園美術館 [IGNITION BOX 2015]）
https://youtu.be/cN6XjpzFYBQ

アーティストによる作品説明（日本語／英語）
https://docs.google.com/document/d/1i-EKUFTvhqIeENKxkkhpQ8lnZO7ntgFC0D40bZWLAIM/edit

河合政之「ヴィデオ・アートの現在形：自作《Video Feedback》シリーズをめぐって」
（東京造形大学研究報 2019）
https://www.zokei.ac.jp/wp-content/uploads/2019/04/journal20_03.pdf

============================================
＊会場では、新型コロナウイルス感染症対策をおこなっております。
・発熱のある方、体調の優れない方はご来場をお控えください。
・アルコール消毒にご協力ください。
・必ずマスクを着用の上ご入場ください。
・大声を出しての声援や会話はお控えください。
・ソーシャルディスタンスを保った人数、配置としております。
============================================