Event Description
VISIONARY FES vol.3
微生物がうつし出す
あなたのこころ わたしのこころ
私たちは普段、たくさんの目に見えない微生物たちと共に暮らしています。しかし、現代的な都市環境やライフスタイルへの変化、さらにコロナウイルスの世界的流行は、これまでの私たちと微生物との関係を大きく変えつつあります。さらに、その変化が私たちの健康に思ってもいなかった影響を与えていることが、最近の研究から報告されています。
「VISIONARY FES」では、常設展示「ビジョナリーラボ」の今回のビジョナリーである伊藤光平さんをはじめ、さまざまな方をゲストにお呼びし、微生物たちとの共生やこれからの関係性についてトークをおこないます。
第3回のテーマは「微生物がうつし出す あなたのこころ わたしのこころ」
第1回、第2回のトークでは微生物多様性の観点から都市や環境などを取り上げてきました。
第3回は、微生物多様性をキーワードに、都市をはじめさまざまな環境に暮らす私たちそれぞれの視点や感覚、そして文化について深堀りしていきます。
ゲストは、ビジョナリーとして都市における微生物多様性を掲げる伊藤光平さん、腸内細菌を専門に研究する福田真嗣さん、本展示オリジナルのSF小説『ココ・イン・ザ・ルーム』を執筆した青山新さん、科学と異分野をつなぐプロジェクトをはじめ、最近では死や民俗学をテーマに取り組む編集者/キュレーターの塚田有那さん。「微生物」という言葉から想起されるイメージの違いから浮かび上がるさまざまな価値観を交差させると、私たちの生き方や世界の見え方にどんな変化が起こるのか。分野やアプローチが全く異なるゲストの方々と、それぞれの微生物観≒微生物センスを交えトークを進めます。
これまでのVISIONARY FES
【VISIONARY FES VOL.1 微生物視点から次世代の都市のありかた】
【VISIONARY FES VOL.2 都市の微生物多様性を“拡張”するビジョン】
伊藤光平 (株式会社BIOTA 代表取締役)
1996年生まれ。都市環境の微生物コミュ二ティの研究・事業者。山形県鶴岡市の慶應義塾大学先端生命科学研究所にて高校時代から特別研究生として皮膚の微生物研究に従事。2015年に、慶應義塾大学環境情報学部に進学。情報科学と生物学を合わせたバイオインフォマティクス研究に従事し、国際誌に複数の論文を投稿。現在は株式会社BIOTAを設立し、微生物多様性で健康的な都市づくりを目指して究・事業をおこなっている。株式会社BIOTA
福田真嗣 (慶應義塾大学先端生命科学研究所特任教授/メタジェン代表取締役社長CEO・CGDO)
2006年明治大学大学院農学研究科博士課程を修了後、理化学研究所基礎科学特別研究員などを経て2012年より慶應義塾大学先端生命科学研究所特任准教授、2019年より同特任教授。2013年文部科学大臣表彰若手科学者賞受賞。2015年文部科学省科学技術・学術政策研究所「科学技術への顕著な貢献2015」に選定。同年、第1回バイオサイエンスグランプリにて、ビジネスプラン「便から生み出す健康社会」で最優秀賞を受賞し、株式会社メタジェンを設立。代表取締役社長CEOに就任。専門は腸内デザイン学。著書に『もっとよくわかる!腸内細菌叢 ”もう一つの臓器”を知り、健康・疾患を制御する』(羊土社)。学生時代から20年以上一貫して腸内細菌の研究をおこなっており、基礎研究と社会実装の両輪で病気ゼロ社会の実現を目指している。
青山新 (デザイナー/リサーチャー/ライター)
1995年生まれ。慶應義塾大学大学院政策・メディア研究科修士課程修了(デザイン)。〈anon press〉編集長。SFや未来志向型のデザインを中心に、執筆/表現活動をおこなっている。主な作品に「オルガンのこと」(樋口恭介編『異常論文』所収、早川書房)、「ココ・イン・ザ・ルーム」(日本科学未来館「セカイは微生物に満ちている」にて展示)、「Re: Re: Enchantment」(『S-Fマガジン2020年8月号』所収、早川書房)「以顔繪」(『小説すばる2022年2月号』所収、集英社〉、など。shinaoyama - Scrapbox
ゲスト
塚田有那 (一般社団法人 Whole Universe 代表理事/編集者/キュレーター)
一般社団法人Whole Universe代表理事。編集者、キュレーター。世界のアファシリテーターートサイエンスを伝えるメディア「Bound Baw」編集長。2010年、サイエンスと異分野をつなぐプロジェクト「SYNAPSE」を若手研究者とともに始動。2016~2021年、JST/RISTEX「人と情報のエコシステム(HITE)」のメディアコミュニケーションを担当。2021年、展覧会「END展 死×テクノロジー×未来=?」(ANB Tokyo)、翌年「END展 あなたの人生の物語」(東急ラヴィエールと共催)を主催する。2021年より、岩手県遠野市の民俗文化をめぐるカルチャーツアー「遠野巡灯籠木(トオノメグリトロゲ)」を主催。近著に『RE-END 死から問うテクノロジーと社会』(高橋ミレイと共同編著、2021年人工知能学会AI ELSI賞を受賞)などがある。 http://boundbaw.com/
ファシリテーター
小林沙羅 (日本科学未来館 科学コミュニケーター)
今回のビジョナリーラボの展示で多くの人と考えを混ぜ合わせながら企画を進めていくうちに、自分と他者の”あたま”の境界があいまいに。さらに私たちの体の表面にいる常在菌の存在を意識していたら、自分と他者の“からだ”の境界があいまいに。そこから何とか自分のところに戻ってきてみると、他者と混ざり合っていなかったところが見つかったり、混ざり合う前とは違う自分になっていることを発見したり。微生物を通してゆらゆら揺らいでいる今日この頃。
■視聴URLのご案内
・視聴URLは、お申込完了時にイベントレジストから送付される「申込確認メール」内に記載がございます。
■本イベントは、日本科学未来館公式Youtube「MiraikanChannel」で配信いたします。
・PCやタブレットなどの端末と、インターネット環境が必要です。
・ご視聴時、他の参加者から顔と名前は見えません。
【その他】
・円滑な進行のためにいただいた情報を講師の方々に提供させていただきます。
主催:日本科学未来館
協力:アカデミーヒルズ
※お申込期日:2023年1月17日 (火) 19時まで