Event Description
活版印刷本は、15世紀に発展した版画技術との協働によって写本にはない長所と独自の美を作り出しましたが、手書き写本を凌駕するまでには約1世紀の時間がかかっています」(「もっとも書物らしい書物-西欧中世写本の魅力に触れる書籍案内-」から引用)。
電子本と印刷本が共存している現在の状況は、手書き写本と活版印刷本が共存した時代と似ているのではないでしょうか。
そのため、手書き写本から活版印刷本へと変遷する過程(約1世紀)において、人間と書物の関係にどのような変化が生じたかを確認することで、これからの書物と人間の関わりについて考えるヒントが得られると考えます。
アカデミーヒルズのエントランスショーケースで展開する「もっとも書物らしい書物-西欧中世写本の魅力に触れる書籍案内-」(期間:9月23日~12月下旬予定)の企画・展示をご担当され、中世写本分野で国内外のリーダー的な研究者である松田隆美氏は、「フィジカル、デジタルを問わず、時空を越えて、文化の記憶を守り育ててゆくメディア」と、書物を表現されています。
本講演は、松田氏に書物の歴史を辿りながら書物の未来の可能性についてお話をいただきます。
■本イベントの関連展示
書籍展「もっとも書物らしい書物—西洋中世写本の魅力に触れる書籍案内」
会 場:アカデミーヒルズ エントランスショーケース
期 間:9月23日~12月下旬(予定)
スピーカー
慶應義塾大学名誉教授
1958年生。英国ヨーク大学大学院博士課程修了(Ph.D.)。中世イギリス文学、西洋書物史、表象文化史を専門とする。主著にDeath and Purgatory in Middle English Didactic Poetry (Cambridge, 1997), 『ヴィジュアル・リーディング—西洋中世におけるテクストとパラテクスト』(ありな書房、2010),『煉獄と地獄-ヨーロッパ中世文学と一般信徒の死生観』(ぷねうま舎、2017),『チョーサー『カンタベリー物語』-ジャンルをめぐる冒険』(慶應義塾大学出版会、2019),『究極の質感-西洋中世写本の輝き』(第31回慶應義塾図書館貴重書展示会図録、2019)、(編著)『本景-書物文化がつくりだす連想の風景』(慶應義塾ミュージアム・コモンズ、2023)などがある。(バナープロフィール写真:撮影 鈴木都美子)
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※お申込期日:10月10日(火)正午
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