Event Description
人工知能研究センター デジタルヒューマン研究チームでは、多様な特性を持つ人々の「生活や就労の質」を向上させるために、人を知り、人に合わせ、人を高める技術の研究開発と、その社会実装を行うことをミッションとしています。そして、その実現に向けて、(1) 人の形状、感覚、運動、行動、生活を数値化し、計算機上での取り扱いを可能にする計測技術、(2) 計測したデータを統計学的、運動学的、または動力学的に解釈し、再利用に向けたデータベース構築や、計算機シミュレーションを可能にする数理モデル、(3) 構築した数理モデルを活用し、身体に適合した製品、運動パフォーマンスを向上させる製品、そして生活機能を向上させる環境・サポートなどを可能にする介入技術に関する研究を実施しています。
13:00- 13:13 | 「ヒューマンデジタルツインの実現に向けて」 多田 充徳 (人工知能研究センター デジタルヒューマン工学研究チーム 研究チーム長) |
デジタルツインとは、物理空間から取得した情報をもとに、サイバー空間に物理空間の状況を再現し、それを用いた未来予測に基づき、システムの全体最適化を実現する技術である。既に工場や建設現場、そしてインフラメンテナンスなどに活用されている。現状ではデジタルツインの対象は機械要素に限られているが、我々はデジタルヒューマンを拡張することで、その対象を人へと広げるための研究を行っている。本発表ではその概要を紹介する。 |
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13:13- 13:26 | 「生体力学手法による下肢切断者のモビリティ再建」 保原 浩明 (人工知能研究センター デジタルヒューマン工学研究チーム 主任研究員) |
事故や病気によって下肢の切断を余儀なくされた場合、義足は日常生活を送るうえで欠かすことのできない福祉機器である。従来型の義足は日常的な歩行機能を改善するためにデザイン・設計されてきた。しかしながら,ここ数年はパラリンピックをはじめとするスポーツ用の義足も普及し始めており,より多様な研究開発が臨床・企業から求められている。本発表では,歩行用義足の計測・評価という基礎研究から,計算機シミュレーションによるスポーツ用義足のデザインまで,産総研で取り組んできた義肢装具研究を紹介したい。 |
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13:26- 13:39 | 「モビリティ再建を見据えた神経筋骨格モデルと実データ解析」 市村 大輔 (人工知能研究センター デジタルヒューマン工学研究チーム 産総研特別研究員) |
モビリティの低下は個人や環境の要因など様々な影響を受ける。神経筋骨格モデルと実データ解析を有機的に組む合わせることで、複合的で複雑なモビリティ障害の機序や介入方法を明確化させていく。このようなモビリティ再建を支援する取り組みについて紹介する。 |
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13:39- 13:52 | 「数値最適化による力触覚デザイン」 尾形 正泰 (人工知能研究センター デジタルヒューマン工学研究チーム 研究員) |
タンジブルな3Dオブジェクトの設計において、力触覚フィードバックを組み込むことはインタラクションデザインにおいて重要な要素になっている。小型かつ無電源で力触覚をデザインする方法として、永久磁石の磁力を活用し、その配置を決定するための数値最適化手法について紹介する。 |
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13:52- 14:05 | 「Dhaiba:デジタルヒューマン・ソフトウェアプラットフォームの開発」 遠藤 維 (人工知能研究センター デジタルヒューマン工学研究チーム 主任研究員) |
身の回りの物やサービス・人間・環境に対する人間の認知や行動原理を理解・モデル化し、ロボットを含むさまざまなプロダクトが社会で人間と共存し、インタラクションを行う上で必要不可欠な、製品の人間中心設計を実現するための研究に取り組んでいる。本発表では、人間を含む多様なモデルを統一し、計測・可視化・解析といった人間中心設計支援を行うソフトウェア・プラットフォーム「Dhaiba」に関する研究開発について紹介する。 |
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14:05- 14:18 | 「IMUを用いた運動計測と就労・生活現場への応用」 丸山 翼 (人工知能研究センター デジタルヒューマン工学研究チーム 研究員) |
ウェアラブルなIMUを使用した慣性式運動計測技術の登場により、実験室の外での運動計測が可能となった。慣性式を中心とした運動計測技術、および実際の生活・就労現場での応用例や課題について紹介する。 |
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14:18- 14:31 | 「ウエアラブルデバイスを用いたテーラーメイドリハビリテーション」 戸田 晴貴 (人工知能研究センター デジタルヒューマン工学研究チーム 産総研特別研究員) |
リハビリテーションの現場では経験知に基づいた職人的な介入が行われているのが現状である。臨床現場における意思決定や介入を支援するためにウエアラブルなIMUを使用して計測したデータと臨床評価を組み合わせた解析や介入について紹介する。 |
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14:31- 14:44 | 「日常生活環境下での運動推定に向けたIMUデータ拡張および運動推定技術開発」 叶賀 卓 (人工知能研究センター デジタルヒューマン工学研究チーム 研究員) |
近年ウェアラブルデバイスの発展・普及によりIMUデータを簡単に取得できるようになってきた。IMUデータを入力として関節角度を推定する機械学習モデルがあれば、日常生活環境下で運動推定を行うことが可能である。一方、本研究チームが持つデジタルヒューマン技術により、MoCapデータからIMUデータを生成することができる。そこで、今までに計測されてきた大規模歩行時MoCapデータベースのデータをIMUデータとして変換し、そのデータを入力として関節角度を推定する深層学習モデルを開発した。この技術について紹介する。 |
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14:44- 15:00 | 質疑応答 |
Finished Events
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2022/03/28(Mon) 14:30
【第56回産総研AIセミナー】「データ連携プラットフォーム設計・開発のためのアイデアソン」
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2022/02/18(Fri) 13:00
【第55回産総研AIセミナー】「シミュレーションとAIの融合技術」
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2022/01/19(Wed) 15:00
【第54回産総研AIセミナー】「ABCI グランドチャレンジ 成果報告会」