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湿式プロセス分科会の守備範囲は、粒子製造プロセス、表面処理プロセス、水処理プロセス、環境保全プロセスなど多岐に亘り、ナノサイズから数百μmの粒子の生成・凝集・分散・湿式分級・ろ過分離・濃縮、また、これらの粒子を用いた湿式成形・塗布・表面改質・表面積層などの要素技術に関わっている。当分科会では、「固液分離」と「粒子分散」を中心として,湿式処理プロセスが必要とされているあらゆる分野を分科会活動の議論の対象に取り入れて、会員企業の技術革新に寄与するべく活動している。
固液分離の分野でのトピックとしては、他の分野と同様に、ろ過脱水プロセス、遠心分離プロセスへのスマートセンシング、IoT、AI の利用が盛んに試みられている。この傾向は、今後も続くものと思われる。一方、新素材としてのナノファイバーのろ材への利用や、種々の推進力(電気力、超高圧や浸透圧)を単独あるいは複数利用した難ろ過性・難脱水性固液混合物の高度分離法の開発が継続的に行われている。
車の電動化に不可欠な電池やDXの推進に欠かせない電子デバイスの製造において、粒子分散および薄膜成型はコア技術であり、最近ではプロセス制御の重要性が注目されている。特に、二次電池製造のための電極スラリーや半導体の熱マネージメントのためのアンダーフィルなどでは粒子分散性や流動性制御が重要とされる。このため、粒子分散液の内情を実際に観察したいという強い要望が各所から聞かれるが、クライオ電子顕微鏡観察が認知されつつあるものの汎用性の高い手法とは言えない。そこで、様々なコンセプトに基づく分散技術に加えて、分散液内部の「間接的」な可視化方法が提案・検証されつつある。また、昨今注目されている全固体電池であっても大量生産には湿式塗布プロセスが不可欠で、将来的にも粒子分散・塗布乾燥の重要性は揺るがないと思われる。
京都リサーチパーク (京都府)
電池製造技術分科会とは
プロジェクト型分科会の一つである。スタート時よりリチウムイオン電池をターゲットに高性能化や大容量化の研究開発を行ってきたが、発火現象事故の発生などにより大きな方向転換を迫られている。今後、安全性、耐久性、低コスト...